2024年09月30日更新
犬の椎間板ヘルニアについて~痛がったり歩き方がおかしい場合は注意~
愛犬が突然、歩行困難を示したり、痛みを感じるような様子を見せたりした場合、椎間板ヘルニアの可能性があります。この病気は犬にとって非常に一般的であり、場合によっては日々の生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
犬の椎間板ヘルニアは、適切な治療を受けることで、症状が大きく改善する可能性があります。愛犬がこれからも快適に過ごせるように、正しい知識を身につけておくことが大切です。
今回は、犬の椎間板ヘルニアについて、症状、原因、診断方法や診療方法、予防法やご家庭での注意点について詳しく解説します。
■目次
1.犬の椎間板ヘルニアとは
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ
犬の椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアとは、椎間板と呼ばれる脊椎の間にあるクッションの一部が突出し、神経に圧迫や損傷を与える状態です。
この病気は、ダックスフンドなど特定の犬種での発生が多いことで知られていますが、中高齢の犬であれば、どのような犬種でも発症する可能性があります。
また事故や怪我など、外傷によって発生することもあります。
症状
椎間板ヘルニアの症状は、その重症度によってさまざまです。主な症状として、以下のようなものが挙げられます。
・背中や首の痛み
・歩行困難や跛行
・後ろ足の脱力や麻痺
・尿や便の失禁
・姿勢の異常(背中を丸める、首を下げるなど)
・活動量の減少
・触られると痛がる
・食欲不振
・鳴き声の変化(痛みによる唸り声など)
原因
犬の椎間板ヘルニアの原因は、主に遺伝的な要素が強いとされていますが、肥満や加齢、過度な運動、不適切なジャンプなど、日常生活の中での負荷も影響します。
特にダックスフンドのような、足が短く胴が長い犬種は発症リスクが高いことで知られています。
椎間板ヘルニアは大きく分けてハンセンⅠ型とハンセンⅡ型に分類されます。
ハンセンⅠ型はダックスフンド、フレンチブルドッグ、コーギー、ビーグルなどの軟骨異栄養性犬種に多く見られます。
若い頃から椎間板の変性が始まり、ある日突然線維輪が破れて、突き出た髄核が脊髄を圧迫してしまいます。
なお、ハンセンⅠ型は急性発症であり、予兆なく突然の麻痺や痛みが生じることがあります。
ハンセンⅡ型は加齢などによりゆっくりと椎間板が変形し、厚くなった線維輪が脊髄を圧迫してしまいます。
加齢により発症しやすいハンセンⅡ型に比べると、ハンセンⅠ型の方が発症頻度が高く、この病気は進行することがあるため、早期発見と早期治療が重要です。
そのため、椎間板ヘルニアの症状があればすぐに受診するようにしましょう。
診断方法
椎間板ヘルニアの診断には、まず詳細な身体検査と神経学的検査が行われ、痛みの位置や程度、麻痺の程度などが評価されます。
また、骨の異常を確認するためにレントゲン検査も行われます。
確定診断にはMRI、またはCT検査が必要で、椎間板の突出具合や神経への影響を詳しく調べます。
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治療方法
治療方法は、症状の重さによって異なります。
軽度から中度の場合は、安静にする方法の他に消炎剤や鎮痛剤などの薬物療法やマッサージやストレッチなどの理学療法が中心となります。
重度の場合には、突出した椎間板を取り除く手術をして、神経への圧迫を解消させる必要があります。または、椎骨を固定して安定性を高める方法もあります。
予防法やご家庭での注意点
椎間板ヘルニアの予防には、適切な体重管理が非常に重要です。肥満は脊椎への負担を増大させるため、適切な食事量と適度な運動が推奨されます。
また、ソファのような高い場所からの飛び降りなど、背骨に過剰な負担がかかる行為を避けることも大切です。
まとめ
犬の椎間板ヘルニアは、適切な治療と管理を行うことで、比較的良好な予後が期待できる疾患です。愛犬に少しでも異変を感じたら、早めに獣医師の診察を受けましょう。
また予防には、適切な体重管理や不適切な運動を避けることがもっとも重要です。椎間板ヘルニアには遺伝的要因も関与していることから、発症しやすい犬種では特に注意しましょう。
■整形外科の関連する病気はこちらで解説しています
・犬の前十字靭帯断裂について〜足を痛そうにしていたらすぐに病院へ〜
・犬の膝蓋骨脱臼〜歩き方に異常が出る〜
最後になりますが、
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