2024年09月25日更新
犬と猫の骨折について〜正確な診断と治療計画を立てるためにCTやMRIを活用〜
愛犬や愛猫が突然足を引きずるようになったり、活動量が低下したりした場合、足に痛みを感じている可能性があります。このような症状が見られるときは、まず椅子やソファなどからの落下や、誤って踏んでしまったなどの出来事がなかったか確認しましょう。これらの原因によって、骨折が発生しているかもしれません。
犬や猫の骨折は、早期に適切な治療を行うことで回復が期待できます。しかし、放置すると症状が悪化し、後遺症が残る可能性もあります。そのため、骨折について正しい知識を身につけ、万が一の際には迅速に対応できるようにしておくことが大切です。
■目次
1.骨折とは
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ
骨折とは
骨折は、骨の連続性が途切れる状態を指し、完全に骨が分断される「完全骨折」と、骨にひびが入る「不完全骨折」に分けられます。
犬や猫の骨折は、外傷が最も一般的な原因ですが、骨の疾患や腫瘍、栄養不良などでも発生することがあります。
症状
骨折の主な症状は以下の通りです。
・強い痛み
・腫れ
・触れると痛がる
・患部の変形
・歩行困難や足を地面につけない
このような症状が見られる場合、骨折の可能性を疑い、早めに動物病院を受診してください。
原因
骨折の原因はさまざまですが、交通事故、高所からの落下、運動中の事故が一般的です。
子犬や子猫の場合、栄養バランスの悪い食事を続けると、栄養不良が原因で骨折することもあります。また、高齢のペットでは、腎臓病や歯周病が原因で顎の骨が脆くなり、軽い衝撃で骨折することがあります。
また、大型犬では骨の腫瘍の発生率が高く、腫瘍が原因で骨が脆くなり、骨折を引き起こすこともあります。
診断方法
骨折の診断には画像診断が不可欠です。
ほとんどの骨折はレントゲン検査のみで診断できますが、頭部や手首、足首などの複雑な部位ではCT検査が必要になる場合もあります。また、神経や靭帯の損傷を詳しく評価するためには、MRI検査が有効です。
当院では、正確な診断と治療計画を立てるためにCTやMRIを活用しています。これらの高度な画像診断機器を使用することで、より正確な診断と治療計画の立案が可能になり、予後の改善に役立てています。
当院の医療機器についてはこちらをご覧ください
CT – Canon Lightning Aquilion
MRI – Vesaliussuite VT
治療方法
骨折の治療には、以下のような方法が一般的に行われます。
・プレート固定法:折れた骨を金属のプレートとネジで直接固定する方法です。
・創外固定法:固定バーと金属のピンを使い、皮膚の外から骨を固定する方法です。
・外固定法:骨折した部位を手術で切開せず、ギプスや包帯などで固定する方法です。
当院では、主に「プレート固定法」と「外固定法」を用いて骨折の治療を行っています。しかし、犬や猫に対して外固定法が適用できる骨折は限られており、多くの場合、より確実な治療が可能な「プレート固定法」による手術を採用しております。
予防法やご家庭での注意点
骨折を予防するには、ペットの生活環境を安全に整えることが重要です。
窓やバルコニーには落下防止策を施し、小型犬の場合は椅子やソファからの飛び降りを無くすため、階段やスロープを付けると良いでしょう。
また、交通事故を防ぐために散歩時には必ずリードをつけ、首輪やハーネスには緩みがないよう、適切なサイズのものを使用しましょう。
まとめ
犬や猫の骨折は、早期に適切な診断と治療を行うことで、良好な回復が期待できます。当院では、高度な画像診断装置であるCTやMRIを使用して、骨折の正確な診断と治療を行っております。愛犬や愛猫の健康と安全を守るため、日常生活での予防を心掛けるとともに、異変を感じたら早めの受診をお勧めします。
■整形外科の関連する病気はこちらで解説しています
・犬の前十字靭帯断裂について〜足を痛そうにしていたらすぐに病院へ〜
・犬の膝蓋骨脱臼〜歩き方に異常が出る〜
最後になりますが、
私たちが目指すのは、ただの「治療」ではありません。
あなたの大切な家族の一員である子供たち(愛犬、愛猫)が、健康で笑顔溢れる毎日を送るための「ケア」です。
人間医療の高い精度と専門性を動物医療に取り入れ、子供たち(愛犬、愛猫)にとって最良のケアを提供することをお約束します。
当院の想いと設備について
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