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猫の股関節形成不全〜CTやMRIを使って精密に診断〜

猫の運動能力や日常の活動に影響を与える疾患の一つに、股関節形成不全があります。この病気は、股関節の構造的な異常によって慢性的な痛みを生じさせる疾患で、その結果、普段の行動や気分にも影響を及ぼすことがあります。

 

股関節形成不全は犬に多く見られる疾患ですが、猫においても発症することがあり、注意が必要です。早期に症状を認識し、適切な治療を行うことで、愛猫の苦痛を軽減し、生活の質を維持することが可能です。

 

■目次
1.股関節形成不全とは
2.症状
3.原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ

 

股関節形成不全とは


股関節は、骨盤のくぼみ(寛骨臼)と大腿骨の先端(大腿骨頭)から成る関節です。

 

寛骨臼のくぼみが浅くなるため、大腿骨頭がしっかりと収まらず、関節が不安定な状態となり股関節が脱臼しやすくなります。その結果、股関節周辺の軟骨や靭帯が損傷し、骨関節炎に進行することがあります。

 

症状


猫の股関節形成不全の主な症状は以下の通りです。

 

うさぎのように跳ねる歩き方をする
腰を左右に振りながら歩く(モンローウォーク)
びっこを引く
ジャンプする際に躊躇する
運動を嫌がる

 

原因


股関節形成不全の主な原因は遺伝的要因です。

 

しかし、肥満や過剰な運動などの生活環境も、症状の進行に影響を与えることが知られています。

 

診断方法


股関節形成不全の診断には、通常レントゲン検査が用いられます。ただし、レントゲン検査ではポジショニングが難しく、評価が困難な場合もあります。

 

そのため当院では、CTやMRIなどの高度な画像診断技術を使用して、より正確な股関節の評価を行っています。これにより、骨や周囲の筋肉、靭帯の状態を詳しく確認し、治療計画に役立てています。
当院の医療機器についてはこちらをご覧ください


CT – Canon Lightning Aquilion

MRI – Vesaliussuite VT

 

治療方法


治療方法は、症状の重さや猫の体格、生活スタイルによって異なります。軽度の場合、痛みを管理するための薬物療法や体重管理といった内科的治療が選択されることがあります。

 

一方、症状が重度で内科的治療が効果的ではない場合、大腿骨頭切除術が検討されることもあります。

 

また、若齢の猫で早期に発見された場合、症状の進行を防ぐための手術が推奨されることもあります。

 

予防法やご家庭での注意点


股関節形成不全は遺伝的要因が大きいため、完全な予防は困難です。

 

しかし、適切な体重管理を行うことで症状の悪化を防ぐことが可能です。また、若齢のうちから定期的な獣医師のチェックを受けることで、早期に問題を発見し対処することができます。

 

まとめ


股関節形成不全は、正確な診断と適切な管理により、猫の生活の質を維持することが可能です。CTやMRIなどの先進的な診断機器を使用することで、より詳細な診断が可能になり、効果的な治療につなげることができます。当院ではこれらの技術を駆使して、皆様の愛猫の健康をサポートしています。

 

■整形外科の関連する病気はこちらで解説しています
犬と猫の骨折について〜正確な診断と治療計画を立てるためにCTやMRIを活用〜

 

最後になりますが、

 

私たちが目指すのは、ただの「治療」ではありません。

 

あなたの大切な家族の一員である子供たち(愛犬、愛猫)が、健康で笑顔溢れる毎日を送るための「ケア」です。

 

人間医療の高い精度と専門性を動物医療に取り入れ、子供たち(愛犬、愛猫)にとって最良のケアを提供することをお約束します。
当院の想いと設備について

 

何かお困りの点やご不明点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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