2024年09月20日更新
犬や猫の膿皮症について┃子犬や子猫に多く、夏は特に注意が必要!
膿皮症は犬や猫で比較的よくみられる皮膚の病気のひとつです。この病気は高温多湿の環境で発症しやすいため、特に夏は注意が必要です。また、皮膚バリア機能の弱い子犬や子猫に発症しやすい傾向があるため、皮膚の異変に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
今回は、犬や猫の膿皮症について、その原因や症状、治療方法、家庭での注意点について詳しく解説します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断と治療方法
4.家庭での注意点
5.まとめ
原因
膿皮症の原因は細菌の感染です。さまざまな細菌が膿皮症を引き起こしますが、特に多いのは、健康な犬や猫の皮膚にも常在している「ブドウ球菌」によるものです。
ブドウ球菌は通常、問題を起こしませんが、何らかの原因で皮膚のバリア機能が弱まると異常に増殖し、膿皮症を引き起こします。
皮膚バリアが弱くなる原因としては、不潔な皮膚状態や過度の乾燥のほか、甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌疾患、アトピー性皮膚炎、がん、ノミやマダニの寄生などが挙げられます。
また、子犬や子猫は皮膚バリア機能が未熟なため、細菌感染を起こしやすいです。
症状
症状は、細菌感染が皮膚のどれくらい深い部分に達しているかによって異なります。
〈表在性膿皮症(皮膚の浅い部分での感染)〉
・かゆみ
・皮膚の黒ずみ
・フケ
・脱毛
・膿を含んだぶつぶつ
〈深在性膿皮症(皮膚の深い部分までの感染)〉
・痛み
・膿
・出血
・皮膚の壊死
また、深在性膿皮症を放置すると、発熱や食欲不振が現れ、全身状態が悪化することもあります。
診断と治療方法
膿皮症の診断は、まず皮膚の状態を確認し、症状の聞き取りをしたうえで、皮膚の細菌を顕微鏡で観察したり、細菌を特定するための細菌培養検査などを行ったりします。
また、基礎疾患がないか確認するために、血液検査やアレルギー検査を行います。
治療方法は症状の程度によって異なりますが、膿皮症が広範囲に広がっている場合や、皮膚の状態が非常に悪化している場合には、薬用シャンプーを用いたシャンプー療法が効果的です。また、皮膚に塗り薬を塗ったり、抗生物質の内服を行うこともあります。
家庭での注意点
膿皮症を予防するためには、定期的なブラッシングとシャンプーを心がけましょう。ブラッシングは汚れを落とすだけでなく、血行を促進する効果もあります。また、正しいシャンプー剤による定期的なシャンプーも大切です。特に犬の場合は、月に1~2回程度行い、シャンプー後にはしっかりと乾かすことが大切です。
なお、人用のシャンプーを使用したり、シャンプーの頻度が多すぎたり、シャンプー後にしっかり乾かさないと皮膚が蒸れてしまい、膿皮症の原因になるため注意しましょう。
まとめ
膿皮症は単なる皮膚病ではなく、背後に内分泌疾患やがんなどの基礎疾患が隠れている可能性もあり、適切な診断が必要な病気です。予防のためには、シャンプーなど日常的なケアが欠かせません。シャンプー剤の選び方に迷ったり、子犬や子猫の皮膚ケア方法が分からない場合は、当院にご相談ください。
最後になりますが、
私たちが目指すのは、ただの「治療」ではありません。
あなたの大切な家族の一員である子供たち(愛犬、愛猫)が、健康で笑顔溢れる毎日を送るための「ケア」です。
人間医療の高い精度と専門性を動物医療に取り入れ、子供たち(愛犬、愛猫)にとって最良のケアを提供することをお約束します。
当院の想いと設備について
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