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犬や猫の歯周病について〜毎日の歯磨きで予防できる〜

愛犬や愛猫がご飯を食べるのをためらったり、口臭が気になったりすることはありませんか?これらの症状は、歯周病の初期段階かもしれません。歯周病は放置すると進行し、口腔内だけでなく全身の健康に影響を与える可能性もあります。また、歯石がたまりやすく、歯磨きに苦労する飼い主様も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、歯周病の原因や症状、さらに自宅でできる予防策について詳しく解説します。

 

■目次
1.歯周病とは?
2.症状
3.原因
4.診断
5.治療
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ

 

歯周病とは?


歯周病は、最初に歯垢が蓄積することから始まります。食べ物のカスや細菌が歯に付着し、これが数時間から数日で歯垢となります。日常的な歯磨きで歯垢を取り除くことが重要ですが、放置されると、唾液中のミネラルと結びついて歯石に変化します。歯石ができると、歯磨きでは除去できなくなり、次第に歯茎に炎症が起こり、「歯肉炎」へと進行します。

 

歯肉炎は、歯茎が赤く腫れ、出血しやすくなる初期の状態ですが、この段階ではまだ治療により回復が可能です。しかし、適切なケアがされないと炎症が進み、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」が形成され、そこに細菌が侵入します。これが「歯周病」の本格的な症状であり、歯を支える骨(歯槽骨)が次第に破壊され、最終的には歯がぐらつき、最悪の場合は脱落してしまいます。

 

症状


歯周病の症状は以下のようなものがあります。

 

口臭
歯茎の赤みや腫れ、出血
食事中の痛みや食欲不振
歯がぐらつく、抜ける
頬が腫れる

 

さらに、重症化した場合には細菌が血流を通じて全身に広がり、心臓病や腎不全といった深刻な疾患を招くこともあります

 

原因


主な原因は歯垢と歯石の蓄積です。犬や猫の唾液にはカルシウムが多く含まれており、人間よりも歯石が付きやすいとされています。加齢や歯磨き不足が原因で歯垢が硬化し、歯石となり、これが歯茎に炎症を引き起こします。

 

歯並びや唾液の質によっても歯石のつきやすさに個体差があるため、定期的な口腔ケアが必要です。

 

診断


診断は主に口腔内の視診によって行われます。

 

当院ではさらに、歯科専用のレントゲンを使用して、目に見えない歯の問題や歯周病の進行状況を詳細に確認します。このレントゲンを使用することで、通常の視診では見逃されがちな問題点を早期に発見し、適切な治療を提供することが可能です。

 

歯科レントゲンが役立った事例

例えば、以前、乳歯を抜歯した後に、歯根が一部自然に残ってしまっている事例がありました。外からは確認が難しい状態でしたが、当院の歯科用レントゲンで確認したところ、残っていた歯根を発見し、適切に処置を行うことができました。このように、レントゲンを活用することで、見えにくい問題にも対応し、より正確な診断と治療が可能となります。

 

治療


歯周病の治療では、まず麻酔下での歯石除去(スケーリング)や、歯周ポケットのクリーニングが基本となります。これにより、歯垢や歯石を取り除き、歯茎の炎症を改善します。進行が進んでいる場合や歯がぐらついている場合は、必要に応じて抜歯が行われることもあります。

 

当院では、これまでに多数の歯科処置を行っており、経験豊富なスタッフによる適切な治療を提供しています。また、治療前には歯科用レントゲンを活用し、歯周病の進行具合や隠れた問題を正確に診断することで、個々の症状に最適な治療プランを立てています。

 

予防法やご家庭での注意点


最も効果的な歯周病の予防法は、毎日の歯磨きです。犬や猫専用の歯磨き粉や歯ブラシを使用し、優しく歯と歯茎を磨くことで、歯垢や歯石の蓄積を防ぐことができます。

 

とはいえ、「どうやって歯磨きを始めたらいいかわからない」「嫌がる愛犬・愛猫にどう対応したらいいの?」というお悩みを持つ飼い主様も多いのではないでしょうか?

 

そんな方におすすめなのが、当院で開催している「歯みがき教室」です!デンタルケアアドバイザーの資格を有した当院の動物看護師が丁寧にアドバイスし、実際に歯磨きのコツをお伝えしています。
詳細は「歯みがき教室の実施のお知らせ」をご覧ください

 

また、歯磨きが難しい場合は、デンタルケア用のガムやおもちゃも有効です。

 

日常的に口腔内を観察し、以下の変化に気づいた場合は早めに動物病院を受診してください。

 

・歯が黄色く変色している
・歯茎が赤く腫れている
・歯磨きを嫌がるようになった

 

まとめ


歯周病は進行がゆっくりなため、気づいたときにはすでに症状が進んでいることが多い病気です。しかし、毎日の歯磨きを習慣にすることで、早期に異常を発見し、愛犬や愛猫の健康を守ることができます。
当院では、先進の歯科用レントゲンを用いた詳細な診断と治療を提供しており、多数の歯科処置を行っている確かな実績があります。愛犬・愛猫の口腔トラブルでお悩みの際は、ぜひ当院までご相談ください。

 

最後になりますが、

 

私たちが目指すのは、ただの「治療」ではありません。

 

あなたの大切な家族の一員である子供たち(愛犬、愛猫)が、健康で笑顔溢れる毎日を送るための「ケア」です。

 

人間医療の高い精度と専門性を動物医療に取り入れ、子供たち(愛犬、愛猫)にとって最良のケアを提供することをお約束します。
当院の想いと設備について

 

何かお困りの点やご不明点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

大阪市平野区の動物病院「パピリーアニマルホスピタル」は年中無休、土日祝も診察。
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