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犬と猫の目の病気について〜最近目ヤニが多い、目が充血している〜

犬や猫の目の病気はたくさんあり、目やにや充血など症状が同じでも原因となる疾患はそれぞれ異なります。そのため自己判断せず、異変があれば動物病院で検査を受け、しっかりと適切な治療を受けることが大切です。

 

今回は、犬や猫の目にはどのような病気があるのか詳しく解説します。

 

また、当院では特別な診療機会として、太田充治獣医師による眼科特別診療を8月25日(日)に実施いたします。完全予約制のため、早めのご予約をお願い致します。

 

詳しい詳細は下記リンクをご覧ください
眼科特別外来のお知らせ

 

目の健康の重要性


目の病気は犬や猫の生活の質に大きな影響を与えます。視覚に問題があると、歩行や遊び、食事など日常生活に支障をきたし、ストレスや不安を感じる原因となります。目の健康を保つことは、ペットが快適に過ごすために非常に重要なのです。

 

目によくある症状と注意すべきサイン


目やにや涙目
猫風邪角膜潰瘍など多くの眼疾患で見られる症状です。

 

目の充血
猫風邪角膜潰瘍で見られますが、充血が強い場合(強膜充血)は緑内障の疑いがあります。

 

瞬きの増加や目をこする行動
異物が目に入ったときや逆さまつげドライアイなどが考えられます。

 

光に対する反応の変化
眩しがる、光に対して目をしょぼつかせる場合は緑内障神経症状による瞳孔散大などが考えられます。

 

主な目の病気


犬や猫に考えられる、主な目の病気は以下の通りです。

 

白内障

水晶体の透明度が失われ、白濁する疾患です。明確な発症要因は解明されていませんが、水晶体の栄養不足や代謝異常、浸透圧バランスの障害などが原因と考えられており、遺伝的要因も深く関わっています。
また、糖尿病に続発して発症することもあります。

 

核硬化症との鑑別が大切で、水晶体の混濁や眼底検査、視覚検査により診断されます。

 

治療には白内障の進行を遅らせる点眼薬や抗酸化作用のあるサプリメントを用いた内科的治療と、白濁物質を取り除き人工レンズを挿入する外科的治療があります。

 

緑内障

進行性に視神経や網膜が障害される疾患で、眼圧の上昇を特徴とします。眼球破裂や網膜剥離、失明などを起こす救急疾患で、早期治療が重要です。原因は先天的または後天的に房水(眼の中の水分)の流出が阻害されることです。

 

眼圧上昇の確認と腫瘍性疾患の除外により診断されます。高眼圧に対して、発症から数日以内に対応できれば視力回復の可能性がありますが、眼圧が高い状態が数週間以上経過している場合は視力回復の可能性は低くなります。

 

治療には房水流出を促進する点眼薬や利尿薬を用いた内科療法と、房水の流出路を形成する外科治療があります。

 

結膜炎

白目が赤い、まぶたが赤く腫れているなどの症状が見られます。アレルギー性の結膜炎や細菌感染、ウイルス性の猫風邪でよく起こります

 

結膜の充血や腫れを確認し診断します。

 

治療には抗菌薬や抗炎症薬の点眼を用います。

 

犬の結膜炎は異物やアレルギー、逆さまつげが多い一方、猫の結膜炎はほとんどが猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルスなどのウイルスが原因です。

 

角膜潰瘍

目をしょぼつかせる、気にしてこすったりかいたりする、目やにや涙が出るなどの症状が見られます。

 

ケンカや藪に突っ込むなどの外傷が原因となることが多いですが、猫ではウイルスが原因になることもあります。

 

フルオレセイン染色を用い、潰瘍部を緑染して診断します。

 

治療には抗菌薬や抗炎症薬、角膜治療促進剤などの点眼薬や自己血清点眼が用いられます。

 

乾性角結膜炎(ドライアイ)

涙の産生が減少することで角膜が乾燥する疾患です。自己免疫疾患や遺伝性要因が関連すると考えられています。

 

ねばねばした目やにが大量に出たり、充血が見られたりします。

 

シルマー試験により流涙量を計測し診断します。

 

治療にはヒアルロン酸や人工涙液の点眼を用います。また、免疫抑制剤が入った眼軟膏を使用する場合もあります。

 

猫特有の目の病気


猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の保有猫はぶどう膜炎の発症リスクが高く、続発して緑内障に発展することもあります。また、リンパ腫の発生リスクが高く、眼内腫瘍眼底腫瘍を発症することがあります。その他、猫では角膜黒色壊死症などの特有疾患が見られます。

 

犬や猫の目の健康を守るための日常ケア


目の周りを清潔に保つことが重要です。目やにや涙が多い場合は、清潔なガーゼやコットンを使って優しく拭き取ってあげましょう。

 

また、異物が目に入らないように、犬や猫が遊ぶ場所や寝る場所の環境を整えてください。長毛の子は、目に毛が入らないように定期的なトリミングも効果的です。

 

さらに、目に異常を感じた場合や普段と様子が違うと感じた場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。定期的な健康チェックを行い、目の健康を維持しましょう。

 

まとめ


今回は犬や猫の主な目の病気についてご紹介しました。ペットの目の症状についてあてはまる点や、不安な点がございましたらお気軽に当院へご相談ください。また、普段から犬や猫の目の様子に気を配ることも大切です。

 

最後になりますが、

 

私たちが目指すのは、ただの「治療」ではありません。

 

あなたの大切な家族の一員である子供たち(愛犬、愛猫)が、健康で笑顔溢れる毎日を送るための「ケア」です。
人間医療の高い精度と専門性を動物医療に取り入れ、子供たち(愛犬、愛猫)にとって最良のケアを提供することをお約束します。
当院の想いと設備について

何かお困りの点やご不明点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

眼科特別診療のご案内
2024年8月25日(日)に眼科特別診療を行います。
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