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犬や猫のてんかんについて〜発作の原因と対策を知って愛犬・愛猫を守ろう〜

愛犬や愛猫が突然、体を震わせたり意識を失ったりしたとき、その場でパニックに陥ってしまうことは当然のことです。てんかんは犬や猫に比較的よく見られる神経疾患の一つで、この病気を理解し、適切に対処するためには、その基本的な知識を身につけることが重要です。

 

この記事では、てんかんの症状や原因、診断、治療、そしてご家庭での注意点について詳しく解説します。

 

■目次
1.てんかんとは?
2.症状
3.原因
4.診断
5.治療
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ

 

てんかんとは?


てんかんは、持続的または反復的に発作が起こる神経系の疾患です。犬では最も一般的な発作の原因の一つであり、あらゆる年齢で発症する可能性があります。

 

てんかん発作は、脳の異常な電気信号によって引き起こされ、正常な脳機能が一時的に中断されます。その結果、全身のけいれんや意識喪失、尿や便の失禁などの症状が現れます。

 

症状


てんかんの発作は、さまざまな形で現れますが以下のような症状が一般的です。

 

突然の意識喪失
体のけいれんや硬直
唾液の過剰分泌
尿や便の失禁

 

多くの場合、発作が始まる前に落ち着きがなくなる、そわそわするなどの「前駆徴候」が見られることがあります。これは、発作が間もなく始まるサインです。

 

発作自体は通常2~3分で治まりますが、その後しばらくの間、意識がもうろうとしたり、立ち上がれなくなったりすることがあります。

 

原因


てんかんの原因は大きく2つに分類されます。「構造性てんかん」と「特発性てんかん」です。

 

構造性てんかん

構造性てんかんは、脳に明らかな異常が見つかる場合のてんかんです。主な原因は以下の通りです。

 

脳腫瘍:脳にできた腫瘍が神経を圧迫し、発作を引き起こします。
脳の奇形:先天的な脳の構造異常が原因となることがあります。
脳炎や脳膜炎:感染症や炎症が脳を侵し、神経活動に異常をきたします。
外傷:頭部への強い衝撃などが原因で、脳の機能に影響を与えます。
中毒や中枢神経系の感染:毒物や有害物質が脳に影響を与え、発作を引き起こすこともあります。

 

特発性てんかん

特発性てんかんは、脳に構造的な異常が見つからない場合のてんかんです。多くの場合、遺伝的要因が関与しています。

 

遺伝的要因:特定の犬種や猫種で遺伝的に発症しやすいとされています。
若年齢で発症しやすい:特発性てんかんは、比較的若い年齢で発症することが多いです。

 

診断


てんかんの診断は、まず詳しい問診と身体検査から始まります。発作が起きた際の状況や、発作の頻度、持続時間をできるだけ詳しく伝えることが診断に役立ちます。可能であれば、発作の様子を動画で記録しておくと、診断の手助けになります。

 

次に、血液検査や神経学的検査を行い、他の病気や異常を除外するための情報を収集します。さらに、脳の構造異常や腫瘍、脳炎などの原因を特定するためには、MRIやCTによる画像検査が必要になることがあります。

 

当院でもCTやMRIを活用して、脳の詳細な状態を確認しています。これにより、脳の構造的な異常がないかを正確に把握し、適切な治療方針を立てることが可能です。
当院の医療機器についてはこちらをご覧ください

 

治療


てんかんの治療は、発作の頻度や重症度を抑えることを目的としています。通常、抗てんかん薬が処方され、個々のペットの状態に合わせて薬の量や種類が調整されます。治療は長期にわたることが多いため、定期的な診察と薬剤管理が欠かせません

 

当院では、専門の神経科アドバイザーが在籍しており、それぞれのペットの症状や状態に最適な治療プランを提供しています。抗てんかん薬の調整や、生活環境のアドバイスも含め、包括的なサポートを行っています。
詳しくは当院のスタッフ紹介ページをご覧ください

 

予防法やご家庭での注意点


てんかんは遺伝によって発生することもあるため、予防には限界があります。そのため、万が一発作が起こった時に慌てず対処できるよう、十分な知識を身につけておくことが重要です。

 

まず、発作が起こったときには、ペットが家具や壁にぶつからないように周囲を片付け、安全な空間を確保しましょう。また、発作中はペットの体を無理に触ったり抱き上げることは避けてください。動揺しているときに誤って噛まれたり、落としてしまうリスクがあります。発作が治まるまで静かに見守り、発作の様子を記録することに集中しましょう。

 

もし発作が5分以上続く場合や、短時間で繰り返し発作が起きた場合は、緊急の対応が必要です。速やかに動物病院に連絡してください。

 

まとめ


てんかんは適切な治療と管理を行えば、発作のコントロールが可能で、ペットの生活の質を保つことができます。発作が見られた際には、早めに動物病院で診察を受け、治療を始めることが大切です。当院では、神経科のアドバイザーが診断と治療をサポートし、ペット一匹一匹に合った最適なケアを提供しています。てんかんの症状が見られた際は、ぜひ当院にご相談ください。

 

最後になりますが、

 

私たちが目指すのは、ただの「治療」ではありません。

 

あなたの大切な家族の一員である子供たち(愛犬、愛猫)が、健康で笑顔溢れる毎日を送るための「ケア」です。

 

人間医療の高い精度と専門性を動物医療に取り入れ、子供たち(愛犬、愛猫)にとって最良のケアを提供することをお約束します。
当院の想いと設備について

 

何かお困りの点やご不明点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

大阪市平野区の動物病院「パピリーアニマルホスピタル」は年中無休、土日祝も診察。
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