CASE

           

症例紹介

脊髄髄膜腫

脊髄髄膜腫とは・・・

 

脊髄の一番外側には髄液を中に入れている硬膜があります。

硬膜の外の腫瘍を硬膜外腫瘍、硬膜の内側の腫瘍を硬膜内腫瘍と呼びます。

硬膜内腫瘍の中で、脊髄の外部の腫瘍を髄外腫瘍、脊髄内部の腫瘍を髄内腫瘍と呼んでいます。

脊髄髄膜種は硬膜内髄外腫瘍に分類され、脊髄を圧迫することにより

首や背中の痛み、ふらつきや立てないなどの症状が起こります。

 

 

~症状~

 

腫瘍による脊髄の圧迫によって症状が出ます。

首や背中の痛み、ふらつき、立てない、後肢を引きずる、後肢の筋肉が減少するなどの症状があります。

麻痺や疼痛は、椎間板ヘルニアや脊髄炎などでも生じますので、他の病気との鑑別が必要です。

 

 

~診断~

 

脊髄腫瘍はX線(レントゲン)では発見できませんので、CT検査やMRI検査が必要となります。

腫瘍の広がりを確かめるために、造影MRIが行われます。

腫瘍の種類の確定診断には、組織生検が必要となります。

 

当院では、CT・MRIなどの高度医療機器を設置しておりますので、

ほとんどの場合、

検査当日にCT検査やMRI検査の画像診断結果をお伝えすることができます。

当院の設備について

 

 

~治療~

 

腫瘍を切除する手術療法が選択されますが、腫瘍の拡がりと脊髄という解剖学的な理由から

完全な切除が困難な場合が多いです。

腫瘍の種類によって、放射線照射化学療法が追加される場合もあります。

 

 

~症例~

 

13歳のチワワちゃん。

数日前から元気消失とどこか痛がるとの主訴でした。

ふらつきなどはありませんでしたが、頸部に痛みが認められ、頸部脊髄疾患が疑われました。

薬の投薬での治療には反応が乏しかったため、CT・MRI検査を実施しました。

 

 

 

 

MRI検査では第3~第4頸椎領域の脊髄右背側領域にT2強調画像で高信号、

T1強調画像で等信号を示し、造影T1強調画像で均一な造影増強効果を示す病変が認められました。

硬膜内随外腫瘍が疑われたため、外科手術による病変の切除を実施。

手術により頸部痛症状は消失し、また術後の運動機能障害はみられませんでした。

切除した腫瘍の病理検査で髄膜種と診断されました。

 

当院では、CTやMRIを用いた各種画像診断のほか、各種疾患に対応しております。

ご紹介やセカンドオピニオンも承っておりますので、お気軽にご相談ください。

CT/MRI検査などご紹介について

 

文責/パピリーアニマルホスピタル 加瀨純