CASE

           

症例紹介

尿路結石の治療について


 

 

尿路結石の治療は食事療法などの内科的治療外科手術による治療があります。

今回は特に外科治療について、当院での治療方法を紹介いたします。

 

 


 

 

まずはじめに、尿路結石でよく遭遇する外科疾患に膀胱結石が挙げられます。

膀胱結石の症状は、血尿や頻尿など、細菌性膀胱と同じ症状が認められます。

診断には、レントゲン検査超音波検査が必要です。

当院では、開腹手術による膀胱切開術で結石を摘出します。

 

そのほかに、尿路結石で緊急性の高い外科疾患に尿管結石が挙げられます。

尿管とは、腎臓と膀胱を繋ぐ細い管で、とても小さい結石でも尿管閉塞を引き起こします。

特に猫ちゃんでは、よく尿管結石による尿管閉塞が認められます。

 

尿管閉塞が起きると、食欲不振や嘔吐、元気消失などの異変が認められます。

診断にはレントゲン検査超音波検査が必要です。

手術は尿管にある結石を摘出することで治療しますが、尿管の扱いには細心の注意が必要です。

 

当院では尿管閉塞に対して腎瘻カテーテルを設置し、尿路を確保した上で、

尿管切開術や尿管膀胱新吻合と言われる方法で結石の摘出を行っております。

 

術後しばらくは腎瘻カテーテルからの排尿をモニターし、術後1週間程度で尿管造影を行います。

そこで狭窄や再閉塞がなければ腎瘻カテーテルを抜去し、退院となります。

 

尿路結石症の症状などについてはこちらをご覧ください↓↓↓

犬と猫の尿路結石症について〜適切な水分補給で予防しよう〜

 


 

【症例1】

 

・雑種猫 3歳 避妊メス

 

血尿と排尿困難を主訴に当院を受診
レントゲン検査にて膀胱内に結石が認められた
診断:膀胱結石
治療:膀胱切開術

 

 

 


 

【症例2】

 

・雑種猫 12歳 避妊メス

 

数日前から元気なく、嘔吐しているを主訴に当院を受診
超音波検査にて右側腎盂の拡張、右側尿管近位に結石が認められた
診断:右側尿管結石
治療:腎瘻カテーテル設置、尿管切開術

 

術前CT画像
が閉塞した結石

 


 

【症例3】

 

・雑種猫 6歳 避妊メス

 

食欲不振を主訴に当院を受診
超音波検査にて右側腎盂の拡張、右側尿管遠位に結石が認められ、膀胱内にも結石が認められた
診断:右側尿管結石、膀胱結石
治療:腎瘻カテーテル設置、尿管切開術、膀胱切開術

 

術後CT画像
が拡張した腎瘻
が膀胱内の結石

 

 

文責/パピリーアニマルホスピタル 山本北斗