CASE

           

症例紹介

猫の尿管結石の治療について

猫の尿管結石は嘔吐や食欲不振、疼痛反応など様々な症状が認められます。

治療は内科的治療で改善することがもありますが、手術が必要なことがほとんどです。

今回は尿管結石に対する手術を行った症例を紹介します。

【症例】

アメリカンショートヘアー 6歳 去勢オス

もともと腎臓の数値が悪いとの事で主治医様にて腎臓病の治療を実施中とのこと。

腎臓の数値が上昇し、状態も悪いとのことで当院にセカンドオピニオンで来院され、

腹部エコー検査で腎盂の拡張と遠位尿管に結石による閉塞が確認された。

↑:腎盂の拡張

〇:尿管結石

 

腎臓の数値が極めて高いことから、来院当日に緊急手術にて腎瘻カテーテルを設置し、

その2日後、腎臓の数値が正常範囲内であることを確認したため、尿管結石の摘出を実施した。

手術方法は人工物を体内に残さずに膀胱と尿管を直接繋ぐ、『尿管膀胱新吻合』を実施した。

〇:膀胱と尿管の吻合部位

 

術後経過は問題なく、腎臓の数値も正常範囲内なので結石予防の療法食を指示し経過観察とした。

 

文責:山本北斗